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2017年2月23日(木) 『静けさと音質 「東京文化会館とムジークフェラインザールの音の違い」』

今週の音楽

静けさと音質を経験していただくために、G線上のアリアを聞きましょう。

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今週のエッセイ
静けさと音質
「東京文化会館とムジークフェラインザールの音の違い」

無音や静寂さをテーマにエッセイを書き進めていますが、今回は、コンサートホールの静けさによる音の違いについて書いてみたいと思います。
取り上げるのは、東京上野の文化会館ホールとウィーンのムジークフェラインザールです。

東京文化会館は、1961年の作られた、長い間日本を代表するコンサートホールでした。
ムジークフェラインザールはウィーンにあり1886年に作られた世界で最も音が良いと言われているコンサートホールです。

この2つのホールの静けさには大きな違いがあります。
そのしずけさも、この2つのホールの音の大きな違いの原因でもある、と言ったら、静寂の世界に興味を持っていただけるでしょうか。
ではまずこの2つのコンサートホールの静けさのレベルからいきましょう。

文化会館は1960年その設立当時、近傍の上野駅には蒸気機関車が走っていましたからその汽笛が聞こえないようにひたすら防音に努力しました。
一方、ウィーンのムジークフェラインザールは1886年に作られましたが、当時の市内を守る城壁を壊した後地に作られました。照明はロウソクやガス燈だった時代にはこのホールの上部に明り取りの窓を設置したのでした。

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※ムジークフェラインザールの内部ですが、サイドの天井に近い上段に沢山の窓があるのがわかります。

この作りからもわかるように、ムジークフェラインザールはかなり外の音が入ってきます。でも、その騒音が音楽の邪魔になっている、という話は聞いたことはありません。防音を徹底した、文化会館とは対照的です。

これらのホールの音楽を演奏した時の音質ですが、アメリカの有名な音響学者ベラネクは、このホールを、最高の音、と評価しました。しかも、その音質は、他の2位以下のホールを大きく引き離してダントツで音が良い、と評価しました。

そのベラネク始め多くの科学者がこのムジークフェラインザールの音の秘密に迫ってきました。私は、窓が設置されていることで、その高評価の音質の一部を作っていると考えています。この窓があることによる、ほどほどの静けさこそも、このムジークフェラインザールの高音質の音の秘密の一つである、のです。
このホールの音の秘密について、このような観点で説明した人はいません。ではどう言われていたかというと、

・ベラネクは、残響時間と初期時間遅れに着目し、漆喰の壁面が効果を発揮している、と分析しました。
・ベラネク以前は、ホールの壁面に設置された沢山の女神像が作り出している、と言われていました。

その理論的な説明は次回にして、今回は私が着目している、このホールのそのことによる音の良さ、についてお話ししましょう。

静けさが作り出す高音質について、ひたすら汽笛から逃れて防音した東京文化会館ホールの音から始めましょう。
一言で言うと、東京文化会館の音は「静かすぎる音」なのです。
このホールで聞いていて、その静寂さから楽器の音が立ち上がる時、予兆もなく発せられるその音に、驚くことがあります。
と言っては言い過ぎでしょうが、このホールの静寂は漆黒の静寂で、観客もほとんどいなくなった時や、指揮者がタクトを振り下ろすまでの一瞬には、吸い込まれるような静けさに襲われます。
文化会館ホールを設計した 前田國男氏はフランスの建築家ル・コルビジェ譲りの、むき出しコンクリートの壁面を基本にしてコンサートホールを作ったのでした。

一方の、ムジークフェラインザールはどうでしょう。このホールで感じる「静けさ」は静かではあるけれども、何かが立ち込めている、わずかに圧迫感のような音の存在を感じる静けさです。

私はこの静けさの違いを京都と奈良の静けさで表現します。

文化会館は京都の清水寺周辺の山あいの、遠方からの外来の音が遮られた静けさです。
京都で雑踏の都市騒音が時々途切れる時、あるいは深夜などに感じる静寂は透明で漆黒の闇に似合って孤独を感じさせます。

一方、奈良の、例えば春日大社周辺の静けさは、この地が平野にあるために、遠方からも都市騒音が漂う静けさです。

音と音の間が埋まっていて、それは表現を変えると、厚みとか、あるいはいつも音に包まれているという豊かさを感じる音です。

実際、ムジークフェラインザールのホール上部に設置された窓列からは、外来の都市騒音が侵入し、奈良の静けさに似ています。

この、静けさの違いによる音の差はどこにあるかというと、弱音部と、ホールで聴く者が感じる包まれ感にあります。

文化会館では、聴衆は静寂さの中では、ステージの演奏者と対峙する、という緊張感のある音の印象ですが、ムジークフェラインザールで音楽を聴くと、音に豊かに包まれる快感を感じます。

オーケストラが音を出す前から、静寂さの中にも聴衆は身体が何かに包まれている印象を持ちます。オーケストラの楽器の音はホールの空気が自然に膨らむような印象で聞くことができホールの温かい雰囲気で身を包まれる幸福感を感じます。
これは、板敷きの床や壁面も表層から音が響いてくる構造になっていることも、響の豊かさを実現しています。つまり、このホールでは、シューボックス型というホールの形式と床や椅子、壁面も響きやすく作ってあります。そして最大の特徴は、ムジークフェラインザールでは、楽器の微細なニュアンスを伝える音のデイテールがどのホールよりも聞き取れるのです。

バイオリンのかすれるような音のニュアンスや、弾き終わった後弓が弦から離れる印象、管楽器の響がホールに響き渡って静かに消えていく印象など、です。
日本の何人かのオーディオ評論家がここの音に涙して、その情熱でその後の筆の力を得た逸話など、ここの音が実現している音が与える感動は、秀逸なのです。

静かな文化会館ホールよりも、都市騒音が侵入するムジークフェラインザールの方が、細かい音がよく聞こえ、音の豊かさを感じるのです。
何故か?不思議ですね。

しかし、その理由は、デジタルで音楽が処理されるようになった初期からも使われている、ある技術で説明できるのです。
それでは、そのあたりを次回にお話ししましょう。

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