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2018年2月1日(木)『ライバルの研究(ミライスピーカの競合製品とライバル達)』

今週の音楽

今回のエッセイは、人真似、もテーマです。
ブラームスが作曲した「ハンガリー舞曲」が、ハンガリーの作曲家たちが“盗作である”と言われたとのこと。
西本智美さんで聞いてみましょう。地味な演奏ですが、バイオリンと、低音の響きが聞きどころです。
ブラームス:ハンガリー舞曲5番

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今週のエッセイ

ライバルの研究(ミライスピーカの競合製品とライバル達)

【その1】マイケル・ポーターのマーケットマネージメント理論に学ぶ「ライバルを育てる市場戦略」

もの作りの世界では、”競合品”はいろんな意味で避けては通れない関門です。技術者はいつも競合品の欠点を暴くことに一種の喜びを感じ、企業人はライバルの失策に狂喜します。
しかし、憎み合い、そして倒そうと考えることだけが、競合メーカーとの関係なのでしょうか。
確かに、伝統的なマーケッティング理論、例えば、近代マーケッティングの父と呼ばれる、フィリップ・コトラーは中小企業の生きる道は”ニッチ”にある、として大企業が作らない製品群の伱間にこそチャンスがある、と言いました。

一方、それに対する大企業の戦略は”いかにニッチ企業を出さない”かにあり、新興企業を潰すことにある、と説いています。
「それで良いのか」と思いながらマーケティングやマネージメントについて学んでいく中で巡り合ったのは、「マイケル・ポーターの競争優位の戦略」という、新しい考え方のマーケッティング理論でした。

そのマイケルポーターのマーケッティング理論で特徴的なのは、「競合企業を育てるマーケッティング」という概念です。
今回の、「ライバルの研究」シリーズではまずこのマイケルポーターの「競争業者と仲良くする」という概念から始めましょう。競争業者
を、ライバル、と読み替えて、その考え方を理解しましょう。

彼は、良いライバルをもつことの利点を主に次の3つにまとめています。

1)競争優位を高める。
これは、差別化能力を高める、と読み替えることができます。ユーザーは比較がなければ、良し、悪しの判断ができません。他社の異なる視点が競争力を高めます。

2)市場開発の効率化、業界構造の改善
企業は売上拡大が使命ですから、ライバルの新市場の開発は我々にとって、市場開発コストの低減になります。また、製品への多様な取り組みは市場を拡大します。彼は、カメラ業界が、カメラだけでなくフィルム業界も育成し、髭剃り業界は替え刃という新規商品を生み出し業界
を改造した、と説いています。

3)悪い業者の参入阻止
新たなコンセプトの商品の市場は先行企業にとっていつも安全ではありません。市場の成熟の頃合いを見て、資金力に物を言わせる強引な新規参入者などがチャンスを狙っています。一社ではできにくい参入障壁の構築も、ライバルと切磋琢磨することで可能です。
製品市場が大きくなったところで大企業が参入して、草の根さえも刈り取ってしまう例は枚挙にいとまはありません。

このような考え方のもとに、マイケルポーターは市場シェアに関して次のように言っています。
市場シェアは必ずしも、最大化するのが良いわけではない、場合によっては、ライバルにシェアを分け与えることで新製品開発コストの低減など上記3つが効率よく機能すると言っているのです。

私も現役時代は、如何に良い音の製品を作って業績を伸ばすか、に明け暮れ、雑誌の音質評価ランクの上位に製品を入れることが使命でした。会社内で技術者は常に他社製品をネガティブに見て倒そうとする考え方をしていましたが、それだけでいいのか、という疑問が湧いてきたのです。良いところはほめて学ぶ、ことも重要ではないかと。

そこで競合品に勝つための戦略として、私は次の二つがあると考えました。

一つ目は、徹底的な”差別化”です。ライバルとの違いを明確にしたり、ライバルと違う手法で性能向上を果たす、という道です。
もう一つは、ライバルと同じ方向で、同じ土俵でもの作りをして、ライバルを上回る、あるいはライバルとは違う”味わい”を実現する、という方向です。
この二つの方法、第1の「差別化」ですが、この方向でもの作りして成功するには、しっかりしたマネージメントが必要です。
ライバルとは違う視点で技術開発して別の世界、「別のマーケット」を構築することですが、そこには危険が潜んでいて、完成度の伴わない差別化や、市場に受け入れられない差別化で、宇宙人になってしまう場合もあります。

前者では、自動車メーカーのマツダのロータリーエンジンでしょうか。燃費などの問題で消えていく運命にあったようです。
後者では、オーディオの世界で見られます。音質でオーディオ評論家の評価を得たり彼らの絶賛を浴びながらも、実売に結びつかない自己満足に終わる製品や技術は少なくありません。

評論家は飽くまで、「評論家」なのです。

それで企業の命運を左右することもあることからも、この「差別化」での 企業トップのマネージメントは重要です。
私ですが、私はどちらかと言うと後者2 の方法で成果を上げてきました。
他社と同じ方向でもの作りをする、他社の良い音に、むしろあこがれて音作りをしました。

この方向は、トップのマネージメント力はあまり関係無く、技術屋は放って置かれても、他社の土俵で負けない製品を作れば売れるのです。
「同じ方向の音作り」「同じ技術を使う」ので危険が少ないのですが、しかし、プライドの高い経営者は、人真似、ということで嫌うでしょうね。

大企業でも、差別化や独自の道ではS社などがあり、人真似ではかつてのM社、今はPという大企業ですね。

ところで、この私の取っている戦略、人真似というか他社の音に憧れる音作り、ですが、芸術の世界でもあります。
私はいつもモノ作りをしていて判断の拠り所にしているのは、ピカソ、という画家です。
ピカソは、「剽窃の画家」と呼ばれるように、他の画家の絵を真似て、名画を書いた人です。
「剽窃:ヒョウセツ」とは他者のものを真似る、ことですが、例えばピカソのキュビズムのスタートとなった「アビニョンの娘達」という絵は、古典派のアングルの「トルコ風呂」を真似た、というかモチーフを得た作品です。
同じことを描いたとしても、両者は全く違いますね。

下記でご覧ください。
(ピカソ:アビニヨンの娘達)
http://www.art-library.com/sp/picasso/avignon-ladies.html

(アングル:トルコ風呂)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/トルコ風呂_(絵画)

実は、私も最初のアンプを作って欧州で高い評価を受けて業績に貢献したのですが、このアンプを作るスタートは当時トップの評価だったアンプでした。
「このアンプを超える音を作れ!」というのがミッションでした。その音は実にヨーロッパ的で、その後に知るムジークフェラインザールの音に通じるものがあったのです。結果的に私のアンプは高評価を得ましたが、その「ヨーロッパ的な音」にはどこまで到達できたか疑問です。
ピカソも同じだと思うのですが、古典に感激してそれを現代の手法と自身の感覚で作り上げると出来上がったものは、全く異なったものになる場合があります。

それもモノ作りの世界だと思います。
だいぶそれてしまいましたが、次回はミライスピーカのライバル達に、具体的製品をあげながら迫って見たいと思います。

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ポコアンプ3のBluetoothの設定の仕方です。とても簡単ですよ♪上の帯のタイトルをクリックすると大きい画面で見れます。

ポコスピーカーSF30H4WC愛称:ホワイトキャンバスの視聴を上げました。

(株)サウンドファンの製品紹介です。ミライスピーカーとポコアンプ3になります。