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第186回:2019年1月16日(水)『映画「ボヘミアン・ラプソディー」で考える、ロック・ミュージックの「音」と英国ロック その2』

今週の音楽:
前回に引き続き、もう一曲、クイーンの名曲を聞きましょう。

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今週のエッセイ
『映画「ボヘミアン・ラプソディー」で考える、ロック・ミュージックの「音」と英国ロック その2』

今回は、名シーンでボーミアン・ラプソディーを振り返りましょう。

この映画、ご覧になった方はどんな場面に感動されましたか。まだご覧になってない方もお楽しみください。
私はこのシーンです。

《降りしきる雨の中で、主役フレディー・マーキュリーに、恋人の子を身ごもったことを伝え、別れのタクシーに乗り込む元恋人メアリーは言うのでした。「フレディー カム ホーム!」(フレディー、貴方は、クイーンに戻りなさい!!)》

物語は、ここからドラマティックに盛り上がり、悲みを駆け上がっていくのでしたね。
今回は、ロックミュージックについて書く予定でしたが変更しました。ある理由からもう一度この映画を見ることになりましたが、2回目では心にグッとくるところもあり、そのあたりを書いてみます。

(ここ迄のストーリー)
欠員のできた学生バンドにフレディーが加入すると、名前もクイーンこ変えて彼の素晴らしい音楽性で一躍注目のロックバンドになりました。好調なクイーンの活動からフレディーは、アメリカのメジャーレーベルに注目され400万ドルでソロアルバムの契約をしそのための別行動を始めます。しかし、契約の二枚のアルバムの作曲に苦闘するフレディー。
やがて、ゲイ仲間との乱痴気パーティに明け暮れる日々。そんなフレディーを心配するメアリーですが電話をしても取り次いでもらえません。そしてライブエイドのオファー、メアリーは意を決してフレディーを訪ね、それらを伝え、そして恋人の子を身ごもったことを伝え、帰途に着く、というのが冒頭のシーンです。メアリーの言葉に仲間クイーンへの復帰を決意したフレディーは、クイーンのメンバーに平身低頭で復帰を懇願しあの、ライブエイド参加に向けて再スタートするのでした。
その間の映像には、エイズであることをクイーンの仲間に伝え、コンサート会場へ向かう前にフレディは家族と会い、カミングアウト(ゲイであることの告白)しパートナーを紹介します。
記者会見では、パキボーイ(パキスタンの少年)とか、出っ歯を直せ、とかの罵声もありましたね。
いざ、ライブエイドのステージへ!

蛇足ですが、私もある社会活動で、仲間のカミングアウトに立ち会いました。すでに心の整理ができていた彼は、私達に30分ぐらいに渡って、女性との挫折、始めて自分のセクシュアリティに気づいた時など彼の半生を語ったのでした。
その話を聞きながら、私自身心に混乱を覚えました。もし、彼が友人としてもっと私に身近な存在だったらどうか、その時彼の両親の思いはどうだったのだろう、と。
そして、彼の話を聞いて最後に「良かった!」と思えた私の心境は、本来の性に彼が目覚め、そして生活のためのパートナーがいて、今はパートナーと落ち着いた生活をしている、と言う事実でした。

フレディーの場合もやはり、同じですね。
両親の前でゲイのパートナーと手を握るということで、こうして生きていくという、覚悟が表現されていましたね。
家族、ファミリーと生きる、ことはとても意味のあることです。
その安堵を私達に伝え、最後のコンサートに向かう、というストーリーでした。

ところで、私にとって映画の楽しみの一つは美しい女優を見ることですが、彼が愛したメアリー役のルーシー・ボーイントンですが、3つの顔が印象的でした。
一つ目は、ラブロマスンの恋人としての表情、二つ目は「カム・ホーム」 とフレディーに訴える母性に満ちた表情、もう一つは前半で見せる「どうしたらいいかわからない」時の幼げで暗くアナーキーな表情です。

この三つの、ホーム・ファミリー・ラブロマスンス、社会の暗部はこの映画の柱です。

この映画を成立させている「暗さ」をイギリス階級社会に生きる一般庶民の出口の無いストレスと読み替えて、労働者・一般庶民のエネルギーが生んだロックミュージックについて書いておきましょう。

イギリスは、一見先進的で高い品格の国で、EU問題でも見られるように常にヨーロッパ大陸との対抗意識をあらわにする誇り高き国家ですが、かの大戦では傷口少なく戦勝国となったために、社会制度の変革が遅れ根強い階級社会が今も残るなど、暗い部分のある国です。

歴史家スーザン・ハンレイは、その著書で、(注1)「18世紀に金持ちとして生まれたならばイギリス人、庶民として生まれたならば日本人が幸せだ」と江戸時代の日本の庶民文化の豊かさを表しています。
一方、イギリスという国は、どうかというと、当時世界に先駆けて産業革命を起こし植民地政策などで豊かな国だったのですが、それを享受できたのは上流階級で、一般庶民は子供を含めて過酷な工場労働を強いられたのでした。

この階級社会は、現在も根強く残っており、インド・パキスタンなどからの移民や一般庶民はその中で生きています。その社会的ストレスは一時期サッカー試合で死者を出すほどの乱闘を他国までいって行ったのは、フリーガニズム(注2)として有名ですが、こうしたサッカーでの乱闘と、ロックミュージックを生んだのも失業者などの庶民のエネルギーだったのです。

宮廷や宗教から発展したクラシック音楽ではイギリスは音楽の社交場ではあっても自国ではたいした成果はないのですが、庶民や若者の音楽であるロック・ポップスにおいては、ロンドンが世界の中心です。

クイーンのメンバーは学生バンドからスタートしただけに高学歴ですが、その活動を支えているのは庶民であり、特にロックミュージックは社会の偏見や暗部を照らし出していて、そこがこの映画の柱でもあると思うのです。

最後に、心に残った冒頭のメアリーの言葉を振り返りましょう。
「(フレディー)カム ホーム」
は、go home や
come back ではなく
come でした。

「私(メアリー)とクイーンの待つファミリー、ホームへ帰ってきて!」という包容力に満ちた暖かいメッセージでしたね。

(注1)スーザン・B・ハンレイ「江戸時代の遺産ー庶民の生活文化(中公叢書)
(注2)フリーガニズム
イギリスのサッカー試合での乱闘。1960~1990年代にイギリスチームの若い失業者などのサ
ポーターが欧州各国にでかけていって乱闘を起こす国際問題だったのです。
特に悲惨な出来事は、ヘイゼルの悲劇は1985年ベルギーでおき、39人の死者を出したのです。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ヘイゼルの悲劇

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