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第195回:2019年6月5日(水)『日本の音、ヨーロッパの音』

今週の音楽
シャンソンから、シェルブールの雨傘の聞きましょう。

今週は言語による音の違いがテーマです。フランス語は、子音と共に母音も重要な役目をしていて、日本語に近い響きがあります。往年の名画の心に残るシーンも見どころです。

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今週のエッセイ
「日本の音、ヨーロッパの音」

1、音感覚の違いは、言語の違いか

日本人の感じる「良い音」と、欧米人の感じる「良い音」の音感覚はどうして違うのでしょう。

前世紀末のオーディオブームで議論されたのは次のような内容でした。
●何故日本人は西欧の音が作れないのか、
●日本人と欧米人の音感覚の違いはどこにあるのか、
この疑問に対して、一般的な見解は、住環境の違いでした。

つまり、日本家屋は伝統的に紙と木で作られ、欧米は石造りです。
そのでの響きの違いなどから音感覚を違いが発生した、というものでした。
最近では、そんなに単純なものではなく、日本人と欧米人の音感覚の違いの最大の原因は言語の違いである、という方向に傾いています。
これは、本エッセイでも、145回『「言葉として虫の声を聞く」日本人のコミニュケーション』で書きました。

2、八代亜紀さんのニューヨークジャズライブ

日本人向けの音と、欧米人向けの音は異なります。
この日本人と欧米人の音感覚の違いを示す決定版は、八代亜紀さんのニューヨークのジャズクラブでのコンサートの音質の違いです。
*下記のユーチューブよりご覧下さい。

彼女は、演歌歌手ですが、ジャズも歌います。
その音ですが、彼女が英語でジャズのボーカルを歌う時の音バランスは、このジャズクラブに合っているのですが、彼女の持ち歌の演歌では、暗い沈んだ音になっています。アメリカのジャズクラブの音響は英語用に作られていて、日本語の歌には合っていないのです。

子音が言語構造で大きな役割を果たす欧米言語と、言語構造の中心が母音である日本語との違いです。
その音を具体的に考察してみると、
●英語のジャズに合わせたこのジャズクラブの音響は、高音を吸音して落ち着いた雰囲気にしてあります。ステージの背にカーテンをするなどで音をまとめています。
●英語は子音で多くの言葉ができて、子音は中高域の周波数成分が多いので、ここの音響はその中高域を吸音して丁度バランスが取れているのです。
●このジャズクラブで、日本語の彼女の持ち歌の演歌を歌うときは、暗く沈んだ音バランスになってしまいます。これは、日本語は母音が重要な役割をしていて、母音は中低音に音バランスが寄っています。

その為に、日本語を明確に聞くには、中高域が目立つ様に、ややライブな音響環境の方が良いのです。

3、生活環境が五感に影響し、行動パターンを決める

結局、音感覚を含め、五感や日常的行動パターンは風土や言語環境・食生活などによって、決まってしまうようです。
ですから、ヨーロッパの音楽をやろうとしたり、深く理解しようとするのであれば、ヨーロッパに住み、現地の食事をたべ、言葉を話して生活することが、それを理解する近道のようです。

ある日本人ピアニストは、イギリスで生活して演奏活動をしている例もあります。
逆に、欧米人と日本についても同じことが言えるようです。
最近、日本に住んでいて日本語を話して生活する欧米人が多くなりましたが、そのような欧米人が日本化して、様々な行動や考え方が日本人的になっているのを感じます。

文章の語順が、主語・動詞・目的語、と並ぶ英語は、議論や論理的追求に優れ、活動的です。
一方日本語は、動詞・述語・動詞、と並び、叙述的で感覚的な表現に優れた「静」の世界と言えるでしょう。

4、現在の日本人のヨーロッパ文化の捉え方

最近は、そのような日本人と欧米人の違いを、日本人も当然のことと理解してきていて、無理をしないのは良い事だと思います。
20世紀の高度成長の時代は、欧米のキャッチアップ時代で、感覚を含めて、全てに於いて欧米を目標に頑張っていた時代のようです。
その時代は、欧米と同じものか、それ以上でなければ日本人はダメな民族だ、というように思っていたようです。
しかし、最近は、上記のように、文化や風土による感覚の違い、ということで、いろんなことを理解して活動しているのがわかります。
前回紹介したヤマハのように、現地人の感覚に合わせて楽器の音作りをするのもその一つです。

このヤマハの例はトランペットの音作りでしたが、アメリカ向けの楽器の音と、ウィーンフィル用の楽器の音は、まったく音バランスが違っていて、同じクラシック音楽を演奏するのですが、オーケストラによって使う楽器の音が違うのは、興味深かったですね。

この様に、一口に「欧米人の感覚」といっても、言語に方言があるように多様です。

この違いも「方言」程度の違いであれば良かったのですが、日本語と欧米系のインド・ヨーロッパ語族との違いは、言語構造が全く異なる分類であるのは残念なことです。
日本語は、南のポリネシア系の言語なのです。それは、主語・動詞・目的語の並び順の違いや、言語の意味を決定する音が、子音である欧米語と母音である日本語である、という違いにも現れています。

5、何処へ行こうとしているのか、日本人の音感覚

ー日本人の自立と、ヨーロッパ文化からの接近ー
ヨーロッパはヨーロッパ、日本は日本と、その文化の違いを認識して、世界の中で活躍する日本、ですが、では、未来に於いて日本の音文化はどうなっていくでしょう。
そのことを考えるにあたって、もう一つの大きな視点は、下記です。
『ヨーロッパ文化も変化している』
オーディオブームの頃、カラヤンの存在もあってビジネスとしても大きなものであったクラシック音楽も、彼が鬼籍に入ると、オーディオ全体が、CDなどの売り上げも含めて落ちてきて、ビジネス規模が縮小していきました。

カラヤンの時代から、すでにクラシック音楽は閉塞状態に陥っていたとも言えます。ウィーンフィルのお膝元、オーストリアでは、最近音楽に向かう若者が減ってきているのです。

その状況は、
●ウィーンフィルの演奏者や指揮者に多様な人材を招かねばならなくなっている。2017年のニューイヤーコンサートにベネズエラ出身のグスターボ・ドゥダメルが指揮を務めた。
●ウィーンフィルの使う、伝統的な楽器を作る人材も枯渇し、ヤマハが援助(前回のエッセイ)というような場面にも現れています。

ところで、ヨーロッパ文化というのは、長い歴史の中でいつも順調に新しいものが生まれ発展してきたわけでなく、閉塞状態 → 外部からの新しさの取り込み → 新たな展開、というような繰り返しをしてきたのです。
そうした流れは、伝統的ヨーロッパクラシック音楽に、ロシア音楽が登場したり、東欧のショパンが登場して、新しい局面を切り開いたことにも見られます。

そうした動きを見ると、ヨーロッパ人もまた、日本文化を、見ていると言えます。
例えば、アンネゾフィー・ムターはバイオリン演奏では世界的に最高峰ですが、彼女はモーツァルトの演奏に、「俳句」を引用しています。
次のような内容のことを言っています。
『モーツアルトの音楽は俳句のようなものだ。文体が簡潔で行間を読むのに多くの才能を要する。またその音楽には静寂に始まり静寂に終る特徴がある』
ヨーロッパ人は、閉塞状態に陥ると、なんとかそこに突破口を見つけるために、異文化に目を向ける、ということをやってきました。日本文化もその一つなのです。

6、まとめとして

ヨーロッパ文化としてのクラシック音楽も未来に向けて、そこに参加する人々によって変化し続け新しい形が生まれることは間違いありません。参加することは、重要なことです。
最近クラシック音楽分野で日本人が欧米コンテストで良い成績を収めたり、内田光子さんがイギリスに拠点を置いて活躍しているような人が多くなりました。
今までみてきたように、ヨーロッパの芸術活動に日本人が参加することは、現地でも望まれていることですし、日本の文化の展開にとっても良い事です。
音楽やオーディオなどすべての人々の活動がこのように変わっていって、新しいものが生まれるのは嬉しいことですし、それを見れることは、何よりも生き甲斐です。
私達は、そんな活動の外野に居ても、それを見続けエールを送り少しでもその推進に役立ちたいところです。

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